”死”の問題を解決できない宗教
人生も折り返し点を過ぎると、同窓会などから物故者の連絡や喪中葉書が届くようになります。
スピリチュアリズムに巡り合うまでは、このような通知が来ると故人との思い出と共に、人生の無常感にため息をついたものです。
そして死の瞬間や死後の世界・・・死生観や死後世界観・・・について思い悩みました。
死の瞬間はどんな気持ちなのか?死後の世界は実在しているのだろうか?臨死体験の話にはトンネルや川や花畑が出てくるが、それが死後の世界なのか?幽霊や怪奇現象と死後の世界とは、どのような関係にあるのだろうか?
既成宗教では、これらの問題について明確な回答を示すことはできません。
一方、新興宗教はというと、各教団がそれぞれに独自かつ珍奇な教えを説いています。
しかし、突き詰めて言えば両者とも死生観や死後世界観に触れる問題を巧みに回避し、”救われるにはわが教団の信者になり、教団の命令に服従してお布施を積む以外に道はない”とする俗物的な集団に過ぎません。
そのため私は、「死の問題に対して具体的な回答を示せず、”地獄の沙汰も金次第”のような宗教には存在価値などない。それ(死後の世界の有無)は、死んだ時に明らかになるだろう」と思い続けていました。
”死”を恐れる原因
スピリチュアリズムによって、死や死後の世界についての真実・真相を知った今では、もはや思い悩むことはありませんが、人間にとって死の問題は神の存在と共に永遠のテーマです。
私たちは日常生活でも、”死”やそれを連想する言葉を「縁起が悪い」と言って忌避しようとします。
いわゆる「忌み言葉」がその代表的なものですし、あるいは駐車場の番号やホテルの部屋に、”4番や42番”や”9番(苦)”をつけないなどもその類です。
しかし、この地上世界に生を受けた以上、”死”はすべての人間に平等に訪れます。
一休宗純(一休さん)が説いたように「門松は冥土の旅の一里塚」です。
それなのになぜ人々は死を避けようとするのでしょうか?
それは、死や死後の世界に関する無知が原因の不安と恐れ以外の何物でもありません。
シルバーバーチの霊訓は、”死”にまつわる悩みを全て解決してくれたばかりではなく、世間一般の”死”に関する考え方を完全に覆(くつがえ)してくれました。
”死”-素晴らしき世界への門出
シルバーバーチの教えによって明らかにされた”死に関する明確な回答”はここに詳しく記されています。
これまでの宗教界のあいまいな見解を見事に”ブレークスルーする”内容に触れたとき、「長年悩んでいた死についての真実はこれだ!」と得心がいきました。理性で納得できる回答をシルバーバーチが示してくれたのです。
自殺者や肉体本能的な生活を送った人間を除き、”死”は人間にとって苦しみからの解放者であること、死の眠りから覚めれば、先に霊界入りしている両親や知人・友人をはじめとする霊界の人々が挙(こぞ)って歓迎してくれること、”死”を最大の悲劇や不幸と考える地上人の常識は、霊界人から見れば的外れで非常識なものであることなどが明らかにされています。
これまでの”死”に対する常識や考え方を180度覆すシルバーバーチの教えに触れたときの心境は、”目から鱗が落ちた”ようだったと言っても過言ではありません。
私も宗教書や哲学書、キリスト教系や仏教系の宗派などを通じて、”死”についてそれなりに探求してきたつもりです。しかし、結果は先に述べたように「死んだときに明らかになるだろう」でした。
スピリチュアリズムに巡り合わなければ、死生観や死後世界観を正しく理解することはできませんでした。”死”の問題に対し、端的かつ明確に示された回答は、シルバーバーチ以外にはないと断言できます。
そして両親の葬儀の際にも、(会葬者がいたため)心の中では笑顔で「お疲れさま!霊界入りおめでとう! 」と祝福することができました。
”死”は素晴らしき世界への門出、旅立ちの時。スピリチュアリズムを知った今、本心からそのよう思います。
宗教の使命
筋金入りの唯物論者でもない限り、人間が宗教に求めるものは、”死”の恐怖や”死後の不安”からの解放です。
死の問題に対して具体的な回答を示せない宗教には、宗教としての存在価値などありません。
宗教の目的は、「死後の世界(霊界)が厳然として存在しているという事実を明らかにし、地上世界(現生)でどのように生きるべきかについて人々に教えること」以外にはありません。
全ての宗教は、”いくらお布施を積んでも極楽往生はできません。現世利益・・・商売繁盛、家内安全、良縁成就、無病息災、受験合格、一攫千金、選挙必勝など・・・を祈願しても無駄です。前世の因縁や水子の祟りを断ち切る力はありません。教義も儀式も豪華な建造物も存在しません”と宣言すべきです。
真のスピリチュアリズム以外に、そのような宗教が果たしてこの地上世界に存在するでしょうか。
※リンク(引用)については、スピリチュアリズム普及会の許可を得ています。